それ大丈夫?金やプラチナ買取りの落とし穴・・
2025/08/27 (Wed) 14:00
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_┃ ☆さくら会計 メールマガジン☆ 第52号 ┃_
┃ 2025年8月27日配信 ┃
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・特集……………それ大丈夫?金やプラチナ買取りの落とし穴・・
■ 特 集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
それ大丈夫?金やプラチナ買取りの落とし穴・・
金やプラチナの価格高騰により高値で買い取りができるようになった一方、それに伴うトラブルも増えています。特に多いのが海外で金などを売買したケースです。一歩間違うと内容によっては密輸や脱税になったりするケースもあります。
今回は特に多い消費税の観点から海外での金などを売買した場合について紹介していきます。
【金の売買取引 消費税】
他のモノ同様に金を購入する場合にも消費税が発生し、その支払いは購入する側の義務です。日本の税金は10%なので、例えば100万円分を購入するとそれにかかる消費税は10%の10万円です。
売却する側は受け取った消費税を、国に納税する義務があります。当然、納税の義務を怠ると処罰の対象になります。
ただし、これは個人事業主や法人に限った話であり、金の売却を個人で行う場合には消費税を納税する義務はありません。
また、個人事業主には、1,000万円の納付免税枠が用意されています。また海外で金を購入する際も注意が必要です。
【海外で金を購入し、日本で売却すればもうかる?】
「海外で金を購入して、日本で売却すれば利益が得られる」といううわさがまことしやかにささやかれています。このうわさは、果たして本当なのでしょうか?…
〇海外で金を購入すると課税されない
日本で金を購入する場合、消費税が課税されます。これは、顧客から金を買い取る買取業者も例外ではありません。
一方で、金の購入に税を設定しているのは、日本・韓国・インドなど一部の国のみであり、世界的に考えると非課税で金を購入できる国が多いのは事実です。
「国をまたいだ金の取引で利益を獲得できる」とうわさされている背景には、こうした各国の課税状況があります。
つまり、海外において非課税で購入した金を日本に持ち込み、同じレートで売却すれば、消費税分の利益を獲得可能なのです。もちろん、国内の消費税率が上がれば、その分金の売却で獲得できる利益も増加します。
〇金の海外購入による利益獲得が困難な理由
上述したような仕組みを利用すれば、海外、日本での金取引で利益を獲得するのは簡単なことのように思われます。
しかし、実際にはある理由によって、現実的ではありません。上述した方法での利益獲得を困難にしているのが、関税法の存在です。
海外で購入した金を日本に持ち込む場合、関税法により消費税の支払いが義務付けられています。つまり、買取店での売却で消費税分の利益を獲得したとしても、このとき支払った消費税で相殺されてしまうため、意味がないのです。これが、金の海外購入による利益獲得が難しい理由です。
海外で購入する際の為替変換手数料や、国内で売却する際の手数料を考えますと、この利益はさらに減少します。海外旅行の帰りにお小遣い程度の額を得ることは可能ですが、わざわざこの利益のために渡航するのは賢明ではないかもしれません。
〇日本で売却する目的の金密輸が横行している
免税範囲の20万円以上の金を日本に非課税で持ち込む方法。それが「密輸」です。
実際に非課税国で購入した金を課税国である日本に密輸し、売却して利益を獲得する密輸の件数が増えてきています。
※具体的な脱税の手口
登場人物(会社)は、3つ。
海外の金買取業者
金の密輸業者
日本の金買取業者
まずは、海外(香港など金非課税地域)で金買取業者から密輸業者が、例えば1億円で金を買い取ります。次に、その金を密輸し、日本国内で、日本の金買取業者に金を1億1,000万円(消費税10%)で売却します。更には、日本の金買取業者が上記の海外の金買取業者へ1億円(輸出免税)で輸出売却します。最後に、日本の金買取業者が日本の税務署へ、消費税の還付を行います。
このとき、輸出免税のため売上に係る預かり消費税は0円で、密輸業者から買い取った時の支払い消費税が1,000万円で、その差額が1,000万円となり、原則的にはこの1,000万円が日本の金買取業者へ還付されます。
上記を数字面で、整理すると下記となります。
<海外の金買取業者>
1億円-1億円=0円
<密輸業者>
1億1,000万円-1億円=1,000万円の儲け
<日本の金買取業者>
1億円-1億1,000万円+消費税還付1,000万円=0円
ちなみに、上記3社は通常グルですので、全体で1,000万円儲かったということになります。
もちろん、密輸は犯罪です。発覚した場合は、当然ながら厳しい罰を科されます。金の密輸件数が増加している事実を受け、財務省は密輸犯罪に対する罰金を増加させる見通しです。
また、税法上でも、密輸品と知りながら行った課税仕入れについて、仕入税額控除制度の適用を認めないこととしています。
大抵は組織ぐるみで行われる金の密輸ですが、近年ではインターネットで募った一般の方を「手軽なお小遣い稼ぎ」と称して密輸に加担させる悪質な例も増えてきています。くれぐれも、こうした誘いには乗らないようにしましょう。
【日本で買った金を海外で高く売ることは可能?】
日本は金の購入に課税している国の中では比較的消費税が低い国です。日本で課税された金を購入し、日本よりもさらに消費税が高い国で売却すれば差額分の利益を獲得できるのでしょうか?
実際には、こちらの方法もあまり現実的ではありません。
まず、国外に非課税で持ち込める金地金の重量は1kgまでです。1kg以下の金を国外に持ち込み、売却すれば消費税の差額分の利益が出ますが、現金を日本に持ち帰る際に再び課税が発生してしまいます。
国によって税制が異なるため利益が出る場合がありますが、いずれにしても工数をかけて取り引きするほどの額とは言えません。
【海外旅行帰りにお小遣いを得るにはおすすめ】
以上が、個人で可能な国をまたいだ金取引の実情です。日本、そして海外の税制上、まとまった額の利益を得るのは困難ですが、海外旅行の帰りにちょっとしたお小遣いを獲得する方法としては有効でしょう。
海外から持ち帰るなら、少ない重量で持ち帰れる金のコインが好ましいと考えられています。可能な限り高値で買い取ってくれる国内の買取業者を探すのもポイントです。
【金の売買取引 金にかかわる税金は理解しておおくのがおすすめ】
資産価値が高い金だからこそ、売却時の金額は大きくなり、さまざまな税金が関連してきます。
トラブルにならないためにも、金のオーナーの方には、消費税をはじめとする税金について理解しておくことをおすすめします。
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・特集……………それ大丈夫?金やプラチナ買取りの落とし穴・・
■ 特 集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
それ大丈夫?金やプラチナ買取りの落とし穴・・
金やプラチナの価格高騰により高値で買い取りができるようになった一方、それに伴うトラブルも増えています。特に多いのが海外で金などを売買したケースです。一歩間違うと内容によっては密輸や脱税になったりするケースもあります。
今回は特に多い消費税の観点から海外での金などを売買した場合について紹介していきます。
【金の売買取引 消費税】
他のモノ同様に金を購入する場合にも消費税が発生し、その支払いは購入する側の義務です。日本の税金は10%なので、例えば100万円分を購入するとそれにかかる消費税は10%の10万円です。
売却する側は受け取った消費税を、国に納税する義務があります。当然、納税の義務を怠ると処罰の対象になります。
ただし、これは個人事業主や法人に限った話であり、金の売却を個人で行う場合には消費税を納税する義務はありません。
また、個人事業主には、1,000万円の納付免税枠が用意されています。また海外で金を購入する際も注意が必要です。
【海外で金を購入し、日本で売却すればもうかる?】
「海外で金を購入して、日本で売却すれば利益が得られる」といううわさがまことしやかにささやかれています。このうわさは、果たして本当なのでしょうか?…
〇海外で金を購入すると課税されない
日本で金を購入する場合、消費税が課税されます。これは、顧客から金を買い取る買取業者も例外ではありません。
一方で、金の購入に税を設定しているのは、日本・韓国・インドなど一部の国のみであり、世界的に考えると非課税で金を購入できる国が多いのは事実です。
「国をまたいだ金の取引で利益を獲得できる」とうわさされている背景には、こうした各国の課税状況があります。
つまり、海外において非課税で購入した金を日本に持ち込み、同じレートで売却すれば、消費税分の利益を獲得可能なのです。もちろん、国内の消費税率が上がれば、その分金の売却で獲得できる利益も増加します。
〇金の海外購入による利益獲得が困難な理由
上述したような仕組みを利用すれば、海外、日本での金取引で利益を獲得するのは簡単なことのように思われます。
しかし、実際にはある理由によって、現実的ではありません。上述した方法での利益獲得を困難にしているのが、関税法の存在です。
海外で購入した金を日本に持ち込む場合、関税法により消費税の支払いが義務付けられています。つまり、買取店での売却で消費税分の利益を獲得したとしても、このとき支払った消費税で相殺されてしまうため、意味がないのです。これが、金の海外購入による利益獲得が難しい理由です。
海外で購入する際の為替変換手数料や、国内で売却する際の手数料を考えますと、この利益はさらに減少します。海外旅行の帰りにお小遣い程度の額を得ることは可能ですが、わざわざこの利益のために渡航するのは賢明ではないかもしれません。
〇日本で売却する目的の金密輸が横行している
免税範囲の20万円以上の金を日本に非課税で持ち込む方法。それが「密輸」です。
実際に非課税国で購入した金を課税国である日本に密輸し、売却して利益を獲得する密輸の件数が増えてきています。
※具体的な脱税の手口
登場人物(会社)は、3つ。
海外の金買取業者
金の密輸業者
日本の金買取業者
まずは、海外(香港など金非課税地域)で金買取業者から密輸業者が、例えば1億円で金を買い取ります。次に、その金を密輸し、日本国内で、日本の金買取業者に金を1億1,000万円(消費税10%)で売却します。更には、日本の金買取業者が上記の海外の金買取業者へ1億円(輸出免税)で輸出売却します。最後に、日本の金買取業者が日本の税務署へ、消費税の還付を行います。
このとき、輸出免税のため売上に係る預かり消費税は0円で、密輸業者から買い取った時の支払い消費税が1,000万円で、その差額が1,000万円となり、原則的にはこの1,000万円が日本の金買取業者へ還付されます。
上記を数字面で、整理すると下記となります。
<海外の金買取業者>
1億円-1億円=0円
<密輸業者>
1億1,000万円-1億円=1,000万円の儲け
<日本の金買取業者>
1億円-1億1,000万円+消費税還付1,000万円=0円
ちなみに、上記3社は通常グルですので、全体で1,000万円儲かったということになります。
もちろん、密輸は犯罪です。発覚した場合は、当然ながら厳しい罰を科されます。金の密輸件数が増加している事実を受け、財務省は密輸犯罪に対する罰金を増加させる見通しです。
また、税法上でも、密輸品と知りながら行った課税仕入れについて、仕入税額控除制度の適用を認めないこととしています。
大抵は組織ぐるみで行われる金の密輸ですが、近年ではインターネットで募った一般の方を「手軽なお小遣い稼ぎ」と称して密輸に加担させる悪質な例も増えてきています。くれぐれも、こうした誘いには乗らないようにしましょう。
【日本で買った金を海外で高く売ることは可能?】
日本は金の購入に課税している国の中では比較的消費税が低い国です。日本で課税された金を購入し、日本よりもさらに消費税が高い国で売却すれば差額分の利益を獲得できるのでしょうか?
実際には、こちらの方法もあまり現実的ではありません。
まず、国外に非課税で持ち込める金地金の重量は1kgまでです。1kg以下の金を国外に持ち込み、売却すれば消費税の差額分の利益が出ますが、現金を日本に持ち帰る際に再び課税が発生してしまいます。
国によって税制が異なるため利益が出る場合がありますが、いずれにしても工数をかけて取り引きするほどの額とは言えません。
【海外旅行帰りにお小遣いを得るにはおすすめ】
以上が、個人で可能な国をまたいだ金取引の実情です。日本、そして海外の税制上、まとまった額の利益を得るのは困難ですが、海外旅行の帰りにちょっとしたお小遣いを獲得する方法としては有効でしょう。
海外から持ち帰るなら、少ない重量で持ち帰れる金のコインが好ましいと考えられています。可能な限り高値で買い取ってくれる国内の買取業者を探すのもポイントです。
【金の売買取引 金にかかわる税金は理解しておおくのがおすすめ】
資産価値が高い金だからこそ、売却時の金額は大きくなり、さまざまな税金が関連してきます。
トラブルにならないためにも、金のオーナーの方には、消費税をはじめとする税金について理解しておくことをおすすめします。
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発 行 日:月2回・水曜日発行(休刊:祝日、年末年始など)
発行開始日:2023年6月14日
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