Air Language NewsBullet n°036
2023/07/26 (Wed) 20:30
「空中の本へ」をテーマに、
書籍、映像、展示、イヴェント、
芸術にまつわる対話やノートなど、
多様な記事をわずかずつ、月9回ほど無料配信、
[TH Grid]のアーカイヴ思想も紹介します。
*
『草本叙説』09 平出隆+〔澤直哉〕
photo : Satoshi Sugitani
足下の国土を疑わず、国語なる屈辱的な名で呼び習わされるものに身を屈めもせず「越境」などと嘯くことで、国境線をいよいよ濃く、太く、ときに色さえ使い際立たせる者がある。越境など国際線で飛べば済むこの階級の目指す平和とは、言語を徹底して既知のものとなし、文明社会なる砂上の楼閣へ囲い込むことのようです。
〔作品は一つの界面をつくり出します。それは質と質との、あるいは質と真空との戦いあう界面です。そこに目を凝らせるかどうかで、評者の水準が知れます。批評家にせよ詩人にせよジャーナリストにせよ、或る評者を切り捨てるには、ロジックや思想や読みかたの検証は、案外必要ないようです。界面における質ということが見えなくなっているのではないか、と見るだけでいい。〕
物の名は掌に載せるや砂のごとく指のあいだを流れ落ちてゆくのに、この破壊の感覚に、それを押し留めようと苦肉のルビを振る指のふるえに、言語における言語を絶するものの虐殺と救済が交錯しているというのに、高空から見れば砂絵の、表象の戯れに過ぎぬのでしょうか。まさかそれが文学と、詩と呼ばれようとは。
S〔H〕S
*
new printing information
平出隆『友愛のひそかな魔法』
via wwalnuts 叢書25
24刷 2023-07-25
air language newsbullet n°036
back number
by
Institute for Air Language
airlanguageprogram.com
書籍、映像、展示、イヴェント、
芸術にまつわる対話やノートなど、
多様な記事をわずかずつ、月9回ほど無料配信、
[TH Grid]のアーカイヴ思想も紹介します。
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『草本叙説』09 平出隆+〔澤直哉〕
photo : Satoshi Sugitani
足下の国土を疑わず、国語なる屈辱的な名で呼び習わされるものに身を屈めもせず「越境」などと嘯くことで、国境線をいよいよ濃く、太く、ときに色さえ使い際立たせる者がある。越境など国際線で飛べば済むこの階級の目指す平和とは、言語を徹底して既知のものとなし、文明社会なる砂上の楼閣へ囲い込むことのようです。
〔作品は一つの界面をつくり出します。それは質と質との、あるいは質と真空との戦いあう界面です。そこに目を凝らせるかどうかで、評者の水準が知れます。批評家にせよ詩人にせよジャーナリストにせよ、或る評者を切り捨てるには、ロジックや思想や読みかたの検証は、案外必要ないようです。界面における質ということが見えなくなっているのではないか、と見るだけでいい。〕
物の名は掌に載せるや砂のごとく指のあいだを流れ落ちてゆくのに、この破壊の感覚に、それを押し留めようと苦肉のルビを振る指のふるえに、言語における言語を絶するものの虐殺と救済が交錯しているというのに、高空から見れば砂絵の、表象の戯れに過ぎぬのでしょうか。まさかそれが文学と、詩と呼ばれようとは。
S〔H〕S
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平出隆『友愛のひそかな魔法』
via wwalnuts 叢書25
24刷 2023-07-25
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