Air Language NewsBullet n°012
2023/05/07 (Sun) 20:25
「空中の本へ」をテーマに、
書籍、映像、展示、イヴェント、
芸術にまつわる対話やノートなど、
多様な記事をわずかずつ、月10回ほど無料配信、
[TH Grid]のアーカイヴ思想も紹介します。
*
静かに動く spira/cc シリーズ
photo : Takashi Hiraide
2012年の crystal cage 叢書創刊を追ってスタートした小冊子に、
「spira/cc」と名づけられたものがあります。
crystal cage 叢書に対する書評や紹介を行うシリーズです。
その特徴は、1枚の紙に切れ目を入れるだけ、
あとは山折りと谷折りを組み合わせて、
8ページの冊子にするという簡易な手製本です。
叢書と同じサイズになっているので、一体的に
保存することもできます。「spira/cc」の名の由来は、
刊行を強く後押しした青山のワコールアートセンター、
とくに Spiral Records との連携にありました。
「spira/cc」の創刊03号は例外的に書評ではなく、
音楽ディレクターの山上周平の執筆により、
crystal cage 叢書自体の新しさ、
当時の状況に与える衝撃が語られました。
いまではまた、開催されたブックフェアや、その後変更されて
実現しなかった計画などが読み取れる資料となりました。
spira/cc シリーズは、現在も静かに頒布されています。
山上周平 『《crystal cage》 叢書──あらたな体験の場所へ』
*
[平出隆総譜-造本]2013-04-29 小冊子「spira/cc」のシリーズを crystal cage 叢書への書評誌として考案し、創刊。[d7]
*
*
『草本叙説』04 平出隆+〔澤直哉〕
photo : Satoshi Sugitani
夭折した友人の遺族を助けて、そのお墓を設計したことがありました。ずいぶん昔のことです。そのさなか、これは本づくりの作業と似ているな、と思ったものです。彼の詩の仕事を顕彰したい思念があり、そのせいでそんな感覚が来たのかもしれない。幾何学的な石塊に対座して、刻むべき名とタイポグラフィから、その寸法、余白、内部、側面、背面へと見計らっていく感じ。
言い換えれば、それまでは揺籃をつくる感覚で本を考えてこなかった、ということかもしれない。
〔墓と故人は、死と生は似ていない。円盤と渾名された詩人の墓は四角い。四角い円は作れない、とは全能の逆説だが、墓に似て四角い本の頁は、揺籃に似た弧を描いて翻る。揺籃は生誕前へ、墓は死後へ、生の時間の両端をはみ出る。両者を類似でなく近似とする宙吊りの努力が本であり、翻訳でしょうか。生かすのか、殺すのか。〕
もちろん、揺籃というものは本来的に、お墓に近接したものかもしれないにしても。
H〔S〕H
*
air language newsbullet n°012
back number
by
Institute for Air Language
airlanguageprogram.com
書籍、映像、展示、イヴェント、
芸術にまつわる対話やノートなど、
多様な記事をわずかずつ、月10回ほど無料配信、
[TH Grid]のアーカイヴ思想も紹介します。
*
静かに動く spira/cc シリーズ
photo : Takashi Hiraide
2012年の crystal cage 叢書創刊を追ってスタートした小冊子に、
「spira/cc」と名づけられたものがあります。
crystal cage 叢書に対する書評や紹介を行うシリーズです。
その特徴は、1枚の紙に切れ目を入れるだけ、
あとは山折りと谷折りを組み合わせて、
8ページの冊子にするという簡易な手製本です。
叢書と同じサイズになっているので、一体的に
保存することもできます。「spira/cc」の名の由来は、
刊行を強く後押しした青山のワコールアートセンター、
とくに Spiral Records との連携にありました。
「spira/cc」の創刊03号は例外的に書評ではなく、
音楽ディレクターの山上周平の執筆により、
crystal cage 叢書自体の新しさ、
当時の状況に与える衝撃が語られました。
いまではまた、開催されたブックフェアや、その後変更されて
実現しなかった計画などが読み取れる資料となりました。
spira/cc シリーズは、現在も静かに頒布されています。
山上周平 『《crystal cage》 叢書──あらたな体験の場所へ』
*
[平出隆総譜-造本]2013-04-29 小冊子「spira/cc」のシリーズを crystal cage 叢書への書評誌として考案し、創刊。[d7]
*
*
『草本叙説』04 平出隆+〔澤直哉〕
photo : Satoshi Sugitani
夭折した友人の遺族を助けて、そのお墓を設計したことがありました。ずいぶん昔のことです。そのさなか、これは本づくりの作業と似ているな、と思ったものです。彼の詩の仕事を顕彰したい思念があり、そのせいでそんな感覚が来たのかもしれない。幾何学的な石塊に対座して、刻むべき名とタイポグラフィから、その寸法、余白、内部、側面、背面へと見計らっていく感じ。
言い換えれば、それまでは揺籃をつくる感覚で本を考えてこなかった、ということかもしれない。
〔墓と故人は、死と生は似ていない。円盤と渾名された詩人の墓は四角い。四角い円は作れない、とは全能の逆説だが、墓に似て四角い本の頁は、揺籃に似た弧を描いて翻る。揺籃は生誕前へ、墓は死後へ、生の時間の両端をはみ出る。両者を類似でなく近似とする宙吊りの努力が本であり、翻訳でしょうか。生かすのか、殺すのか。〕
もちろん、揺籃というものは本来的に、お墓に近接したものかもしれないにしても。
H〔S〕H
*
air language newsbullet n°012
back number
by
Institute for Air Language
airlanguageprogram.com