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『草本叙説』07 澤直哉 +〔平出隆〕

photo : Satoshi Sugitani

 今日、政治の文学化と言語化は盛んになされているが、言語形式を使役して政治的内容を表現するだけでは、既存の代理表象体制はびくともしない。
 オーシプ・マンデリシタームは言う。「この大気が証人とならんことを」。彼は「土小屋のなかの雑食で活動的な、窓なき大洋──物質」までもが証人となることを望む。我々が、でない。天地に遍在する物質が、我々を常に目撃している。

〔物の表層においてさえ、波動しているものを感じ取ることができる。言語の表層においてさえ、波動しているものを感じ取ることができる。それができる人たちのことを、尊重すべきところ、まあ、てんでそうなってはいないのですね。〕

 声なき者の声、と言うなら、物言わぬ物の声、言語の言語にも耳を澄ますことができないか。我々が言語によって証言するのでない。政治を言語化するのでない。言語が我々について証言するように、言語を政治化せねばならない。

S〔H〕S


[平出隆総譜-所属]2021-03-31 多摩美術大学を定年退職[a1]




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